行政書士試験の勉強を、独学でする場合には「この勉強方法で合っているのか?無駄なことをしているのでは?」という不安がつきまとうことになるかと思います。

実際に試験に合格した今でも、僕は「どこまで覚えるべきなのか? 覚える必要が無いのはどこか?」が、よくわかりません。

ということで、本ページでは、僕が感じた「独学受験勉強のデメリット」を書いておきます。

カツオ

限られた時間の中で、いかに要領よく勉強するか?
これが難しいのが「独学受験」だと思いました。

行政書士試験対策の範疇がわかりにくい。覚えるべきは、どこまでなのか?

使ったテキスト&問題集」にも書いたように、僕は行政書士受験専門テキストを一切使っていません。「よくわかるシリーズ」と心中でした。

コレ、表紙をよく見るとわかりますが、「司法書士」とか書いてある本なんですよね。 なので「無駄な勉強をしていた可能性があるんじゃないかな?」と思っています。

あくまで僕の見解ですが、独学では「行政書士レベルは、どこまで踏み込んで覚えれば良いのか? どこは不要なのか?」が、よく分からないのです。

ならば、行政書士受験専門テキストで勉強すれば良いのでは?と思いますが、行政書士受験専門テキストは、ある程度知識が無いと理解しづらいのです。 理解できないのでは、勉強する意味がないので、わかるレベルの参考書から始めるしかありません。 でもそうすると、範疇外の勉強もしちゃうかも?というジレンマが生じてしまう。 これが独学での最大のデメリットのように感じました。

もし1回目が不合格で、勉強2年目に入ったのであれば、絶対に「行政書士受験専門テキスト」を使っただろうと思います。 今なら理解もできますから。

繰り返しになりますが、僕は「よくわかるシリーズ」で独学を進める過程において、「どこから、どこまでが行政書士試験対策の範疇か?」が、今でもよくわかりません。 過去問をやるなどして、自分なりに判断していくしかないのだと思います。

ちなみに「数字」に関しても同じことが言えます。

覚えるべきか?否か?がよくわからない数字の例

  • 憲法では「秘密会は出席議員の三分の二以上」とか、「臨時会招集要求はいずれかの議員総数の四分の一以上」とか
  • 民法では「知った時」から2年だったり5年だったり、「行為」から10年だったり、20年だったり
  • 行政法では「人口5万人以上とか50万人以上とか」

こんな風に↑様々な数字が出てくるのですが、覚える必要がある数字と不要な数字の区別ができない! 

行政書士試験において、この「数字自体」の正誤を問う問題って、そんなにお目にかからないようにも思えます。 だったら、覚えなくていいんじゃない?なんて思っていたら。

なんと、「不法行為の損害賠償請求権の時効年数」を書かせる問題があったりしました。(H29の記述・問46)
やはりある程度は覚える必要があるのでしょう。

てなわけで、僕は僕なりの判断で、出来るだけ覚える努力をしましたが、それ自体にどこまで意味が有ったのかは、正直ナゾです。

カツオ

まあ、全部覚えりゃ済む話なのですけどね。
このあたりは、やはり行政書士受験専用テキストの方が明確なのかな?
使ってないので、わかりませんが~

「無駄な勉強をしているんじゃないか?」と感じた出来事

行政書士試験の過去問(平成28年度問題31)をやっていた時のことです。

H28問31

「Aは債権者Bのため、A所有の甲土地に、被担保債権の範囲をA・B間の継続的売買に係る売掛代金債権とし、その極度額を1億円とする根抵当権を設定した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。」

  • 元本確定前に、A・Bは協議により、被担保債権の範囲にA・B間の金銭消費貸借取引に係る債権を加えることで合意した。A・Bがこの合意を後順位抵当権者であるCに対抗するためには、被担保債権の範囲の変更についてCの承諾が必要である。 
  • 元本確定前に、Bが、Aに対して有する継続的売買契約に係る売掛代金債権をDに対して譲渡した場合、Dは、その債権について甲土地に対する根抵当権を行使することはできない。 
  • 元本確定前においては、Bは、甲土地に対する根抵当権をAの承諾を得てEに譲り渡すことができる。 
  • 元本が確定し、被担保債権額が6,000万円となった場合、Aは、Bに対して甲土地に対する根抵当権の極度額1億円を、6,000万円と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金および債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求できる。 
  • 元本が確定し、被担保債権額が1億2,000万円となった場合、甲土地について地上権を取得したFは、Bに対して1億円を払い渡して根抵当権の消滅を請求することができる。 

※問題文掲載に際し、一般社団法人行政書士試験研究センター様の掲載許諾をいただいております。3行試セ発第332号

この問題の正解は(1)です。 僕は正解出来ました。

ただ、この問題を解説されているサイトさんに↓以下のように書かれているのを見たのです。

根抵当権についての問題で、本問は難問。 本問ができなかったとしても、合否には影響しない。 おそらく確信を持って正解を導けたのは、根抵当権について深く勉強をする司法書士試験経験者くらいであると思われる。

行政書士・合格道場・平成28年-問31 民法 物権Ⅱ

カツオ

「えっ!そうなの!?」ってインパクトがあったので今でもよく覚えています。 この解説を読んだ時に「あ、僕は勉強の要領が悪いんだな」と感じました。

正解したのですから「結果オーライ」とも言えますが、こうした問題が今後出るかどうか?は、僕が見た解説から判断すると、かなり微妙な気がします。 だとしたら、余計なところまで勉強していたということになりますよね~

条文記憶をする必要はあるか?

僕は、ポケット六法とかも使っていません。 つまり、ほとんど条文記憶はしていません。

憲法だけは、「よくわかる憲法」テキスト内にも、条文がよく出てきましたが。

独学者向けのサイトで「六法等で条文を見ておくこと」と推奨されているのを見ましたし、見ないよりは見た方が良いのは、間違いありません。 でも民法なんて1000条以上ありますし、どうせそんなの覚えられないですしーーーー。

行政書士試験・記述問題では、条文どおりが望ましい?

  • 記述採点は合格者数の調整に使われるから、年度によっては鬼採点になる。条文どおりに書かないと大幅減点も有り得る。

↑こんな↑書き込みを目にしたことがあります。 その真偽はわかりませんが、試験後の自己採点で、択一だけで180点を超えない限り、記述の採点次第という展開になります。(僕もそうでした)

僕の場合、憲法以外は条文記憶学習をほぼしていませんので、条文文言とは違う表現での記述回答となりました。
(>>試験の記述解答と採点については、別途書きます。)

できれば「一言一句、条文と同じ回答をする」に越した事はないのでしょうが、全ての条文でそんな事が可能な方は、そもそも行政書士試験なんて楽勝でしょう?

カツオ

条文を読み込む・・・・・・うーん・・・・・・、条文で定めている内容自体を「よくわかるシリーズ」で理解しているなら、条文文言の丸暗記なんてしなくていいんじゃないのかなぁ?

条文暗記の為に大きな時間と労力を割く必要性、僕は感じませんでしたね。 それでもやっぱり「見といた方がいいのかなぁ~???」と思ったりもしますから、これが独学の難点だと思うわけです。

「効率よく・無駄なく、行政書士試験の受験勉強をしたい」というのであれば、通信講座や予備校のお世話になることを検討されることをお勧めします。